片思い経由、恋愛行き


「成海さん…っごめんなさい!!」



体ごと成海さんの方を向き、膝に手をついて頭を下げた。



「俺、成海さんの気持ちも考えずに、勝手なことばっかり言ってた。
達也のことなんて、俺がとやかく言う事じゃないよね。本当にごめんなさい…!」



いろいろ考えてしまわないうちに言葉を並べる。



成海さんにこれが聞こえていないはずがない。



少しだけ顔を上げると、眉間にしわを寄せながら俺の方を見る彼女の顔が、視界の端に映った。




「…何度も余計な口出しをして…ごめんなさい」



今度は成海さんの視界の中で、もう一度謝る。



達也とのことはきっと、俺が何も言わなくても成海さんは自分でどうにかしていた。



今後の告白だって、しようと思った時にするだろう。



もしかしたら、俺とは違って、計算をしていたのかもしれない。



それを俺は急かして焦らせて、彼女のペースを壊そうとした。



それも一度ならまだしも、しつこいくらいに。



…成海さんが怒るのも分かるな。
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