片思い経由、恋愛行き


「そつぎょうおめでとうのおいわいだよ!」


「卒業?」



…あ……



そうだった、私立高校は今日が卒業式だ。



…ということは成海さん、もうあのバス停に来ることはない…?



「海斗くん。成海さんはもう家に帰ってるの?」


「うん。11じぐらいにおわるっていってたから、もうかえってるとおもう」


「…そっか」



じゃあ、あのバス停で彼女に会うのは、この前が最後だったってことか…





「ちょっと海斗!先に走って行かないの!」



海斗くんと話していると、遠くから髪の長い女の人が走ってきた。



前に一度見たことがある、海斗くんのお母さんだ。
< 166 / 290 >

この作品をシェア

pagetop