片思い経由、恋愛行き


そうか……もうあのバス停で成海さんと話すことはないのか…



楽しかった10分間。


ドキドキした10分間。


必死だった10分間。



たった1か月しか過ごせなかったあのひとときは、今思えばまるで夢だったかのよう。



数ヶ月間じっと見ているだけだったのに、ちょっとした勇気で、奇跡のような時間をすごせた。



ほんの一瞬だったけど、俺にとっては大きな時間。



ふと思い出すのは、脳裏に焼き付く彼女の様々な表情。



ふふふと笑う笑顔や時々見せる真剣な顔が、見る度に俺の心を揺らした。



成海さんと仲良くなれて、本当によかった。



俺、こんなにも成海さんのことが好きだったんだ…
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