片思い経由、恋愛行き
冷蔵庫を開けると、おにぎりとちょっとしたおかずが乗った皿があった。
覆い被さるラップにはそれぞれ、俺たちの名前を書いた付箋が貼ってある。
既に家を出た母さんが用意してくれていたんだろう。
先に食べちゃ悪いかな…?
郁也、早く起きてこないかな。
…なんて、まるで恋人だな。
出したお皿をいったん冷蔵庫に戻し、その代わりに牛乳を取り出して一杯飲んだ。
起きてくるまで待とう。
ピンポーン…
静かな部屋に突然インターホンの音が響いた。