片思い経由、恋愛行き


突然勢いよく開いたドアの隙間から、男の子が飛び込んできた。



「か、海斗くん!!?」



目の前には、なぜか涙でぐしゃぐしゃの顔の海斗くん。



「みずき…おれっ…おれ…っ」



玄関先でしゃくりあげながら立ち竦んでいる。



「え、何?大丈夫!?」


「うぅ…っごめ…なさい…うっ…」



駆け寄った俺に向かって、海斗くんは必死で言葉を紡ごうとする。



何かを伝えたいみたいだけど、嗚咽に混じって聞き取れない。
< 181 / 290 >

この作品をシェア

pagetop