片思い経由、恋愛行き
「いい加減にしろ!!!!」
———グンッ
「わっ!!」
郁也に思いっきり腕を引かれた。
さっきとは比べ物にならない、そりゃもう腕が外れちゃうんじゃないかっていうくらいの力で。
「ちゃんと走れよ!!」
「……っ」
意思とは関係なく否応なしに走らされる俺。
足を止めることなど、前の奴が許してくれない。
周りの景色なんて目に入る間もなく、勢いよく過ぎ去っていく。
「男3人で泣いてたってどうにもならないだろ!!後悔したくないなら俺たちについて来い!!」
前を向いて思いっきり走りながら俺にそう言う郁也。
真剣に俺を想って言ってくれてるんだと、情けないけど、今分かった。
…もう、これ以上抵抗できない。