片思い経由、恋愛行き
「よし、分かった!乗せて行ってやるよ!!」
えっ…?
「本当ですか!?」
「あぁ、ここからだったら5分で着くさ。…まぁそれでもぎりぎりだろうけど、いいか?」
本当に…!?
わざわざ行ってくれるってこと…!?
「走るよりマシです!お願いします!!」
「よし、乗れ!」
運転手さんと郁也の会話で、あっという間に交渉が成立してしまった。
「ほら瑞樹も。行くぞ!」
「いくぞ!!」
「わっ…!」
バスに乗り際の郁也たちに肩を軽く叩かれて、思わず前のめりになる。
その勢いでバスに足を踏み入れた。
「お…お願いします…っ!!」
「おう!飛ばすぞ!」
運転席でにっこり笑ってくれたおじさんに一礼して、席に座った。