片思い経由、恋愛行き
「北海道から来たの?」
「うん。今朝こっちに着いたんだ」
「そうなんだ。…何か用事で?」
「うん。ちょっとね」
俺の質問に答えて、意味深げに微笑む成海さん。
頬をわずかに染めて俯く。
用事って何…
………あっ…
「達也に会いに来たの?」
「…え…!?」
ふと出た俺の言葉に、素早く顔を上げた彼女。
大きな目をぱちくり。
まるで、“どうして分かったの!?”とでも言いたげな表情。
…何を言っているんだ、俺は。
頷かれて落ち込むのが目に見えている。
いい加減、思ったことをそのまま口に出す癖を何とかしなければ……