片思い経由、恋愛行き


広い空は快晴。



どこからか吹かれてきた桜の花びらたちが、楽しそうに舞う。



まるで俺たち2人を祝福してくれているかのよう。






「あ、それとね」


「ん?」


「わたし、こっちの大学に行くことにしたの。寮に入るんだ」


「え!本当に!?」


「うん!」



重なる嬉しい報告に、自然と顔がほころぶ。





すぐ近くの愛しい人を、そっと抱きしめた。



すると俺の背中に腕が伸びてくる。



もういつかのように、びくりと跳ねることはない。



密着した体温が心地よい。
< 238 / 290 >

この作品をシェア

pagetop