片思い経由、恋愛行き
曲がった瞬間見えた影。
思わず足がすくんでしまう。
「…うわ。出た」
わたしの姿を見た途端に眉間を寄せる、須賀郁也くん。
…何て呼べばいいのか分からない。
ていうか、名前を呼んでいいのかさえも分からない。
「あの…出たって……、わたしはお化けじゃないんだけど…」
「あ?分かってるよ。俺をバカにしてんのか」
「…っ」
おずおずと口を開いてみれば、ピシャリと強い言葉。
まるで怒られたよう。
…今のはわたしは悪くないのに……
でも何も言い返せない。