片思い経由、恋愛行き


「何がおかしいんだよ。感じわりぃな」



なんて言って威嚇してくる。



…あなたには言われたくないんですけど。



とは言えたもんじゃないけど。




気まずそうにしている彼の姿に、わたしは胸の内で勝ち誇った表情。



ふと目に入った彼の耳が赤いことに、また自然と笑えてきてしまう。





「本当に瑞樹くんのことが大好きなんですね」


「はぁ?ちげぇよ」



わたしの言葉に即否定するも、泳ぐ目は隠しきれていない。




“郁也は俺のことが大好きなんだよ”って言っていた瑞樹くんの言葉、本当に当たっている。



なんだかいいなぁ、男の友情って。
< 265 / 290 >

この作品をシェア

pagetop