片思い経由、恋愛行き


「…そんなことないよ。毎日同じ話をするのが嫌なだけ」


「ふーん…?」


「…ほ、ほんとだって。“今日もダメだった”って言葉も、もう聞き飽きたでしょ?」


「んー?そうでもないけどー?」


「もうー…」





……本当は、自分でも少し感じているんだ。



達也さんを見ている時間より、瑞樹くんと話している時間の方が、何倍も楽しいってことくらい。



たった10分の何気ない会話だけど、毎日楽しみで、わくわくして。



…でもこの気持ちが何なのかはよく分からない。



こんな不思議な感情、初めてなんだ。





それを知ってか知らないでか、マイちゃんは意味深げな微笑みでわたしを見てくる。



「…な、何…」


「んーん、柚音は可愛いなって!」


「はぁ…?」
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