片思い経由、恋愛行き


「ふふっ、やっぱり瑞樹くんは面白いね」



またそう言って笑う成海さん。



知り合ってまだ数日、そのうち何度この言葉を言われただろう…



一体彼女の目には、俺はどういう人間として映っているんだろうか。



「瑞樹くんと話していると本当に楽しいよ」



なんて言う彼女の口から覗く八重歯が、すごく可愛らしい。



「あ、ありがとう…。
えっと…成海さんの趣味は?」



ぎゅっと抱きしめたい衝動に駆られるのをぐっとこらえ、自分が暴走してしまわないように話を戻した。



「わたしはいっぱいあるよ。たくさん本を読むし、手芸も好きだし、最近は料理にもハマってるんだ」



まさに女の子…!!



ふわふわした成海さんに、ピッタリの趣味だ!!




「あ、でも最近一番楽しいのは、やっぱり瑞樹くんと話している時間かな」



なんて言う成海さん。



楽しそうにそう言った後は、俺に向かってにっこり微笑んでくれた。




……なんて気遣いのできるいい子なんだこの子は…!



そして何なんだ、俺のこの充実感…!!



もうその言葉が本当だろうが嘘だろうがそんなの関係ない、

俺はこの子が好きだ!
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