片思い経由、恋愛行き
「あのさ…」
成海さんがゆっくり口を開いた。
どこか気まずそうに顔を歪めている。
じっと彼女を見つめて、次の言葉が出てくるのを待つ。
「瑞樹くんの友達って、どんな人?」
「え…俺の友達…?」
「うん」
俺の想像違いの言葉が耳に入った。
“正直気まずい”か、“2人でも大丈夫”かのどちらかが返ってくるのだと思っていたから、拍子抜け。
うーん…友達か…
どんな、…ってきかれてもなぁ…
…あっ!!!
いいこと思いついた!!
「じゃあさ、俺の一番仲がいい奴に会ってみる?」
成海さんの前にまわりこんで足を止め、にっこり笑ってきいてみた。