片思い経由、恋愛行き


「あ、会うの…?」


「うん。今近くにいると思うんだけど、嫌?」


「…えっ…今?」



目をぱちくりさせる成海さん。



いまいち状況をつかめていないのかな。



俺の顔をじっと見つめたまま動かない。




…こんな急な話、断られちゃうかな…?



…ていうかそんなに見つめられたら俺、またドキドキが止まらない。





「…大丈夫かな?」



ぼそっと彼女が呟いた。



「いい奴だから、何も心配することないよ」



そう言って諭す。



そしたら成海さんは、こっくり頷いてくれた。



「…本当にいいの?嫌なら無理に会わなくてもいいんだよ?」



念のためもう一回きいてみる。



「ううん、会ってみたい」



今度はにっこり微笑んで答えてくれた。

< 86 / 290 >

この作品をシェア

pagetop