天使がくれたもの(全編公開にします)
「そんなことがあったんやぁ。・・・その幹ちゃんって子も、ショックやろうなぁ」


純子がそう言うそばで、波の音が、静かに流れていく。


「・・・そういえば、白浜に行った子からは連絡あったん?」


深夜の海辺で、彼女が花火に火をつける。

急に“花火しようよ”と誘いを持ちかけた純子に、舞はここ数日の出来事をため息混じりに話した。


「・・・ううん、一度も連絡取れてないねん」


さびしそうな表情で、激しく燃え上がる花火を見下ろす舞。


「・・・1回も?」


純子の視線は、花火から舞の顔に移った。
< 116 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop