天使がくれたもの(全編公開にします)
「…一身上の都合」


はっきり理由を告げずに辞めていった彼女に対して、すっきりしない表情を見せる教師。

…舞は、自分を責めた。

理由なんか…一瞬にして頭に浮かんだ。


「…あたしのせいや」


舞は、頭を抱える。

後悔しても…遅い結果。

…もう彼女は、この学校からいなくなってしまった。

…あたしが追い込んだ。



――その日の夕方。

舞は、たまり場のマンションの前まで来ていた。

だが、足がすくんで…前に進めない。

ため息をついて引き返そうとしたとき、後ろから話し声が聞こえてくる。


「わかってるって! 気をつけて行くからっ!」
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