天使がくれたもの(全編公開にします)
懐かしい声に、舞はゆっくりと振り返った。

そこには、マンションのドア側から部屋に向かって話しかける…幹の姿があった。


「えっ、舞? …舞やん!! めっちゃ久々やんかぁ!」


舞の姿に気づき、階段を急いで下りる彼女。

大きなおなかを支えて駆け寄る彼女を前に、舞は口をポカンと開けたまま立ち尽くしていた。


「……? あぁ、もう8ヵ月やで」


彼女の視線の先に気がつき、未希はおなかをさすりながらほほ笑んだ。


「あかんっ、やっぱついてく!」


再びドアを閉める音が聞こえ、2人は振り返る。

地面をトントンと蹴りながら、スニーカーをはく拓馬の姿。


「…あ」


彼の姿を目にし、舞は不安そうな表情を浮かべた。
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