天使がくれたもの(全編公開にします)
「…暗くなってきたなぁ」


半年間の溝を一気に埋める2人は、花壇に腰かけたまま…時間までも忘れるくらい語り合っていた。


「今何時?」


舞は、鞄の中の携帯を探し出す。


「もう7時くらいちゃう? 涼しなってきたし…中入る?」


サッと立ち上がり、服に着いた土を手ではらう美衣子。


「…拓ちゃんがおるってことは、カグも…おるんやでな?」


舞は、表情を暗くした。

美衣子は、少し黙って…また花壇に腰を下ろした。


「…ぶっちゃけ、どうなってるん?」


ぎこちない顔をした彼女を、のぞき込むように見上げる美衣子。


「“彼氏おる”言うてたやん?…もうカグのこと、好きじゃないんやろ?」


彼女の言葉に、舞はモジモジとためらいながら…ゆっくりと口を開いた。


「…別れたねん。…カグが帰ってきてスグくらいに」


それは、今の気持ちをハッキリと言わなくても…どういう意味かを表す言葉だった。
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