天使がくれたもの(全編公開にします)
「忘れたいから? だからってカグに似た人を好きになるん? …それって忘れる気ないやん」


…彼女の言葉は舞の胸に突き刺さる。舞は困った表情で黙り込んだ。


「…別にな、その“快”って人を見るなら見たらいいと思うよ? 舞が前に進もうとするなら応援する。でも間違った進み方して後悔してほしくないから…」


美衣子はため息をつき、静かにそうつぶやいた。

…本当に大切に思ってくれているからこそ、美衣子は時に厳しい言葉もかけてくれる。

舞は落ち込み静かに彼女の言葉を聞いていた。


…pi………pi pi pi……


その晩、風呂から上がって部屋に戻ると、携帯が鳴り響いていた。

手にし画面を見ると、相手は快。


『…もしもし?』


…やっぱり似てる。

電話越しの声に、舞の胸はぎゅうっと締め付けられる。


「…はい」

『今何してたん?』
< 226 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop