天使がくれたもの(全編公開にします)
ずっと、ずっと誰かに聞いてほしかった不安。

黙ったままの彼から、返事を待つ。


「・・・教えてや。テルオも・・・気になること言うしな。・・・なんか不安やねん!」


必死に問いかける彼女。


・・・ガチャ・・・ガチャ。

はりつめる空気の中に、突然鍵を開ける音が、玄関から響いてくる。


「・・・テルオやな」


カグは、そうつぶやくと・・・ゆっくりと立ち上がり、ティッシュの箱を彼女に手渡した。


「まぁ、おまえもテルオが好きなんやろ?・・・頑張れや」


そう言って、玄関へと歩いていく。

手元のティッシュを1枚抜き取り、涙を隠す舞。
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