天使がくれたもの(全編公開にします)
舞は涙を流し、走り続けた。


道もわからず・・・ただ走り続ける舞の腕を、誰かが力強くつかんだ。

引き止められ振り返ると、そこには・・・テルオの姿ではなく、いつも無愛想なアイツの姿。


「おまえ、どこまで来てんねんっ!! めっちゃ家から離れてるやんけっ」


そう言って、つかんだ腕をはなし・・・額の汗をぬぐう。


「美衣子とテルオ・・・付き合ってたんやな」


マスカラがにじむ濡れた頬に、また涙が流れ落ちる。


「・・・走って、のど渇いた。おまえも何か飲めよ」


そう言って舞を連れ、近くにある公園のブランコに腰かける。
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