天使がくれたもの(全編公開にします)
黙ったまま、彼はひたすらゴクゴクとオレンジジュースを飲み干した。

・・・そして口を開く。


「・・・あの二人なぁ、中学んときからずっと付き合っとったんやし。でも、なんちゅうの?・・・一時の倦怠期っていうか、喧嘩多かった時期に別れよったねんな。・・・でもおまえも気づくほど、まだあの2人は未練残ってるんやし。・・・まぁ、おまえからしたら・・・納得いかん話やろうけど」


カグは、静かにジュースの缶を投げ捨てた。

舞は、手の中にある缶ジュースの飲み口を見つめたまま、彼の話を黙って聞いていた。

ブランコの鎖からはなれたカグの手のひらが、ポンポンと舞の頭を軽くたたいた。

< 40 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop