天使がくれたもの(全編公開にします)
頭が混乱して・・・動けない。


「・・・ごめん、帰ってくれ」


そう再び言いはなつ彼を前に、舞は何も言わず・・・元の場所へ戻ることにした。

目の前で鮮やかに咲き乱れる火の花を・・・呆然と眺める。

その後、テルオの携帯にカグから着信があった。

・・・彼はその日、舞たちの元には帰ってこなかった。


――数日後。

マンションのドアの前で、舞は弱々しく立ちつくしていた。


「どしたん? はやく入ろうよ」


美衣子が不思議そうに、そっと顔をのぞき込む。


「あ・・・うん」
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