天使がくれたもの(全編公開にします)
舞もまた・・・涙を流した。

・・・静かな夏の夜、苦い思いに涙で濡れた2人は・・・距離を縮めていく。



「・・・ちょっ、苦しいって」


照れた彼の言葉で、舞は我に返る。

舞はぎゅっと抱きしめた手をパッとはなし、頬を赤らめた。


「おまえ・・・Tシャツ濡れてんやんけ」


笑いながら、背中に目を向ける彼。


「ごっ・・・ごめん!」


涙で濡れたTシャツをつまみ、舞は急いで乾かそうとした。

静まり返った空気の中、聞こえるのは虫の声だけ。
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