シークレットな極上LOVE


「あれ?指輪、つけてくれてるんだ」


「あっ、これは…」


とっさに左手を隠す。


さっき、何気なくはめちゃったんだよね。


しかも、薬指に…。


「やっぱり似合うな。見せて」


彰斗は表情を緩めると、あたしの左手を取った。


「こ、これは、違うの!」


「何が違うんだよ」


笑顔の彰斗は、そのままあたしを抱きしめた。


「や、止めて!」


思い切り押し返す。


「イヤ…。そういう気分になれないから」


想像しちゃう。


彰斗が亜子さんを抱いてる姿も、あたしの知らない“彼女”を抱いてる姿も…。


それだけで、自分には触れて欲しくない。


そう思ってしまった。




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