シークレットな極上LOVE
「この匂い、あたし好き」
「ん?」
二人、ベッドの中で抱きしめ合ったまま、しばらく夢の余韻に浸っている。
最近、気付いたんだ。
彰斗はあたしを抱く前に、タバコを吸う事が多い。
それは、こうやって体を重ねた後、タバコを吸わなくていい為に。
ちゃんと、一緒に余韻に浸ってくれる。
それも、とっても嬉しいんだよ。
「この柑橘系の香水。特注なんでしょ?名前はあるの?」
「名前なんてないよ。それより、今日、龍を見てたろ?」
「リュウ?」
リュウって?竜?
恐竜?
訳の分からないあたしに、少し呆れた顔をした。
「新藤 龍之介(しんどう りゅうのすけ)。新藤商事の社長だよ」