シークレットな極上LOVE


タクシーで彰斗の家へ向かった。


部屋に入るなり、彰斗はスーツのジャケットとネクタイを外す。


いつもなら、きちんと収めるのに、今日にいたっては、乱暴に脱ぎ捨てた。


「由依奈…」


突っ立ったままのあたしを引き寄せて、ゆっくりと抱きしめる。


いつもの強引で、力強い感じとは違って、今日はどこか弱々しい。


こんな彰斗は、初めて見た。


あたしはそっと、包み込み様に抱きしめると言った。


「言いたくないなら、無理に話さなくていいから」


「え?」


「何か辛い過去とかあるんでしょ?だったら、話したくなったら話して?」


本当は、亜子さんの言葉も、龍之介さんの言葉も気になる。




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