シークレットな極上LOVE
「ただいま」
いつもの穏やかな笑顔で、あたしを見つめる。
「お帰りなさい」
それに比べてあたしの笑顔は、ひきつりそうだ。
龍之介さんと、一体何の話をしたんだろう。
「今夜は、何か急な仕事でも入ったの?」
わざとらしく、聞いてみた。
多分、龍之介さんは、あたしと出くわした事を言ってないと思うのよね。
その予想は的中した様で、
「ん?ああ、ちょっと取引先とトラブってさ。その処理」
そう誤魔化された。
やっぱり、言えないような内容なのよ。
「それよりも、由依奈は私語が多すぎるぞ?」
ジャケットを脱ぎ、ネクタイを外しながら、彰斗はそう言った。