シークレットな極上LOVE


―――――
――――

「由依奈、怒ってるのか?」


“コト”が終わり、あたしは彰斗に背を向けていた。


「ううん。そうじゃない」


いつもなら、胸に顔を埋めて、幸せの余韻に浸るところだけど、とても今夜は出来そうにない。


それは、もちろん“元カノ”、風香さんの事が引っ掛かっているから。


だけど彰斗には、無理矢理抱いた事に、腹を立てているみたいに映ったらしい。


「じゃあ、こっち向けよ。寂しいじゃん」


優しく背中を指で突く。


寂しいのは、あたしの方だよ。


今夜、ううん今まで、誰を想いながら抱いていた?


あたしを見つめながら、本当は誰を見つめていたの?




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