シークレットな極上LOVE
「そっか。もしかして、オヤジのさっきの電話ってそれだったのか?」
彰斗の言葉に、会長は頷く。
そしてそのやり取りを見ていたお母さんは、寂しそうに言ったのだった。
「それは寂しいわね。数年はあちら暮らしになるんでしょ?」
ちょっと待ってよ。
何でみんな当たり前みたいに言うわけ?
「そうだ彰斗。早めに由依奈さんのご両親へも、報告しておきなさい」
「ああ。そうする。由依奈、今夜にでも電話していいかな?」
「あ、うん…」
あまりにも、当たり前の様に進むパリ暮らし。
その雰囲気に押されて、あたしは思わず返事をしてしまっていた。