シークレットな極上LOVE
やっぱり!
開いたドアの向こうには、彰斗さんが立っていた。
しかも、一人で…。
「お、お疲れ様です」
出来るだけ顔を見ない様に、あたしはエレベーターに乗り込むと、“閉”ボタンを押す。
それにしても、彰斗さんて社長なのに、こんなにウロウロしてるわけ?
「どこ行くの?」
後ろから、彰斗さんの声がして、ドキッとした。
「あの、二課に…」
震える指で、30階を押そうとした時、
「その資料、オレが貰うよ」
そう言って、あたしから取り上げた。
「えっ!?でも、それ部長に手渡しって…」
「大丈夫。最後はオレのとこに来る資料だから。部長には、後で言っておくよ」
見上げる先には、あの笑顔がある。
「やっぱり、由依奈ちゃんだった」
「え?」
「髪型が違うから、一瞬分からなかったんだけど…」
そんな会話の間にも、エレベーターは35階で止まった。
そう、社長室のフロアで。