シークレットな極上LOVE
美加ってば、何してるのよ!?
彰斗さんは、真ん中にいて、上司や先輩たちに囲まれていた。
「そうかな?」
「そうですよ。社長が乗った後のエレベーターは、すぐに分かりますから」
トロンとした目の美加に、彰斗さんは苦笑いをしている。
「社長の香水って、どこのブランドの物なんですかぁ?」
「実はこれは、知人に作ってもらってる特別なやつなんだよ」
「特別なやつ?じゃあ、普通じゃ売ってないんですか?」
「ああ。これは、どこにも売ってないよ」
二人の会話を聞きながら、自分でも疑問に思っていた事が、一つ消えた。
あの香水って、特注なんだ。
どおりで、今まで出会ったことのない香りだったわけだ。