シークレットな極上LOVE
夜桜のお花見は、お局様の終電に合わせて、22時で解散になった。
ちょうどいい時間、て思ってしまったのは、あたしも彰斗さんと二人きりになるのを、楽しみにしてるから。
って事に気付いてしまった。
方向が違う美加に“バイバイ”をして、あたしは待ち合わせの場所へと走る。
川沿いより、一歩中へ入った路地。
シンプルな、一人暮らし用と思われるアパートが連なる場所に、かなり場違いな車が停まっている。
ハザードランプをつけて、時折その光りで見える黒色の車体には、誰もが知ってる高級外車のマークがついていた。
「あの車よね?」
ゆっくり近付くと、窓が開いて、彰斗さんが顔を出した。
「助手席は、向こうだから」