ねぇ、まこと。

本当はドキドキしてた。


終電に乗り遅れて慌てるあたしを、まことはホテルへと誘い出す。

実は、あんまり記憶がないねん。たぶん、少し…酔ってたんかも。

「何もせぇへんから!」って言葉に、半信半疑で指切りしたとこまでは覚えてるんやけど。


ホテルの部屋に入ったとき、まことはあたしの肌に触れてきた。

でも、怒って約束を口にすると、しぶしぶ大人しくなる。

男とそんな場所に行った事点で、怒る権利なんかないはずやのに。
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