桜雪
「彼だけが、そんな私の思惑に気付かぬまま、一人毒を呷ったんです。
私は彼が悶え、苦しみ、死んでいくところを見ていたんです。彼は苦しみながらも、私が毒を飲まなかったことを悟り、目を見開いて驚いていました。
その目には、驚愕、恐怖などの感情の波が押し寄せてくると共に、なぜ? どうして? と私への問いかけの色が濃くなっていくようでした」
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