ふたり。-Triangle Love の果てに

俺たちがよりを戻したと知って、勇作は一体何を思っただろう。


マコにその気持ちを打ち明けたのかもしれない。


でなければ、あれほど仲の良かった勇作とマコが一切の連絡を断つことなどあり得ない。


だが、彼女から俺に何も話さない限り、こちらから問いただすようなことはしたくない。


もし訊いて俺の想像が正しかった場合、それを俺は今の時点で冷静に受け止める自信がないからだ。


「ね、もうすぐクリスマスね。天宮先生のところに行かない?クリスマス会もあることだし」


嬉しそうにマコは俺をのぞきこむ。


「遠慮する」


「どうして」


「いいか、よく考えてみろ。今行けば天宮に会の準備だとかでこき使われる上に、ガキの相手をさせられるのが目に見えている」


「いいじゃない」


「行くならおまえひとりで行け」


「そんなこと言わないで。それに泰兄が退院して元気になった姿を見せてあげなきゃ。あなたが撃たれたと聞いて、一番に先生は駆けつけてくださったのよ」


そうだったな、まあ、その時俺はまだ意識が戻ってなかったが…


「それに天宮先生のおかげで、私たちはまたこうやって一緒にいられるのよ」


気乗りしない俺に、マコは俺のもとへ戻ってきたいきさつを語ってくれた。


「先生にああ言ってもらわなかったら、私はあなたのところには行ってなかった」


だから…という彼女を前に、俺は観念したように両手を挙げた。


「わかった、わかったから泣くな。次の日曜に行けばいいか?」


涙目のまま、彼女はにっこり笑ってうなずいた。

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