*~○みるく♡きゃんでぃ●~*
ガチャ……きぃぃ………


ドアを押すと金具が音を立てて軋む。

あたしは下を向きながら世界への扉を開いた。

「顔、上げて??」

優しい声で彼は囁く。

「……っ無理だよぉっ」

怖くて辛くて。
せっかく開けたのに。
これじゃ、彼もイライラするよ…。

次の瞬間。

ぐいっ……っと顔が上がった。

そう、彼があたしの顎を持ち上げた。

「……」

彼の顔が、赤く染まっていく。

なに、なに、なんなのぉぉぉぉ!?!?!?

「……なぁ、何年?」

「ふぇ??」

不意に彼に声をかけられた。

「なぁ??」

「っ………」


わかんない、なんて。
いえる訳がないよ。
いえないよ。
こんなこと言って
信じてもらえるわけ……ないじゃん。

「……じゃあ、いい」



< 25 / 36 >

この作品をシェア

pagetop