キャンディよりも甘く~わんこ彼氏とホワイトデー~
「ブラウニーだから多少焦げてても分かんないって!」
『どう見ても…』
「大丈夫!わんこだったら黒焦げだろうと生焼けだろうと、美耶が作っただけで喜んで食べるから!!」
とかいう、フォローになってんだかなってないんだかみたいな2人の言葉と強引さで一応学校には持ってった。
渡すのは最後まで躊躇ってたんだけど、壱が期待した目で凄い見てくるから、最後はどうにでもなれ!位の気持ちであげた。
…投げてね。
そんな感じだったから、お返しなんて期待してなかったっていうか、考えても無かった。
なのに…
「不味くないよ!だって美耶が作ってくれたんだもん!嬉しすぎて永久保存しようと思ったくらい!!」
『腐るから…』
力説する壱と逆に冷たいツッコミをいれるあたし。
壱の言葉がお世辞でも嬉しいのに、素直になれない。