キャンディよりも甘く~わんこ彼氏とホワイトデー~

『これって…いつも壱が食べてる奴?』


差し出されたのはカラフルな包み紙の棒つきキャンディが2つ。

壱はこれが好きで、よく食べてる。



「うん。朝、新しい味見付けて買ってて…だからあげる!」

『え、良いよ!壱が食べたくて買ったんでしょ?』



新しい味を見付けて売り場で目をキラキラさせてる壱が想像出来る。

それを貰うのはなんか…。



「そうだけど…でも!やっぱり美耶に何かあげたいから。貰って?」

『じゃあ…』



必死に手を差し出す壱に、貰わないのも悪い気がしてそっと受け取る。



『…ありがとう』

「ううん。それ美味しいと思うから今食べてみて!」



受け取って貰ったのが嬉しかったのか、笑顔で言ってくる壱。

貰ってすぐ食べるのはどうなのかと思ったけど、お弁当を食べてる途中だったから、お腹がまだ空いてるし、壱の言葉に甘えて食べる事にした。



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