キャンディよりも甘く~わんこ彼氏とホワイトデー~
『いただきます…』
「召し上がれ♪」
適当に壁がある所に2人で座って、一応そう言ってから口に入れる。
『ん…チョコ?』
口の中に特有の甘さが広がる。
やっぱりチョコはこんな感じだよね…あたしのブラウニーなんてビターじゃすまない位に苦かっただろうし…。
まさか…これ食べて味を勉強しろって事?
なんて思ってるとやたら横から感じる視線。
横目でチラッと見ると壱がじっと見てる。
『…なに?』
「え、や、別に!」
そう言うけど、まだじっと見てくる。
食べづらいんですけど…。
あ、もしかして…
『はい』
「え?」
『食べれば?』
キョトンとした壱にもう1つのキャンディを渡す。
「えっ!いや、それは美耶にあげた奴だし…」
『良いから、ほら』
半ば強引に壱の手にキャンディを握らせた。