キャンディよりも甘く~わんこ彼氏とホワイトデー~
「でも…」
『良いから。…後で何か買ってくれるんでしょ?』
「!ありがとう!美耶!!」
あたしの言葉に満面の笑みを見せてキャンディの包み紙を開け始める壱。
『2つも食べられないから』
笑顔の壱とは裏腹に可愛くないあたし。
そんな自分に呆れながら壱から目をそらして空を見上げた。
体育の時間は雲ってて寒かったのに、今は綺麗に晴れてて、ポカポカ陽気とまでは行かなくてまだ肌寒くはあるけどだいぶさっきよりは和らいでる。
「うまい~!」
横から聞こえる嬉しそうな声に目を向ける。
『ふっ…』
「えっ、美耶なんで笑ってんの!?」
『だって…あはは!』
キャンディを本当に幸せそーに食べてる壱が子供みたいで面白くて思わず笑ってしまう。
「美耶~?笑い過ぎだよ!!」
『だ、だって~…そんなに嬉しそうに…ぷっ…!』
自分の事を笑われて怒る壱とツボにハマッて笑いが止まらないあたし。