キャンディよりも甘く~わんこ彼氏とホワイトデー~


「むぅ~…」



やっと笑いが落ち着いたけど、壱は膨れっ面。

さすがに笑い過ぎたかな?



『壱?』

「……ん」



やっぱりご機嫌斜めみたいでこっちを見ないまま微妙な返事。



『ごめん、笑いすぎた』

「美耶、俺の事子供っぽいと思ってバカにしてるでしょ?」



完全にへそを曲げちゃってる壱にどうしようかと考える。



『…思ってないって』



本当はちょっと思ってるけど…。



「今、間があったもん」



…嘘をつくとき、人間すぐに言葉は出てこないらしい。


いつもならこんな事無いのに、益々機嫌を悪くする壱にちょっと焦ってきた。



『ごめんって!ほら、後でお菓子でも買ってあげるから』



甘いもの好きな壱の機嫌がよくなるんじゃないかと思って言った言葉。



それがまさかあんな方向に行くなんて……。



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