キャンディよりも甘く~わんこ彼氏とホワイトデー~

「…お菓子?」


ピクッと壱が言葉に反応したように動く。



『うん、買ってあげる』



さすが壱。

やっぱりお菓子には反応するよね。

なんだかんだで機嫌を直すのなんて簡単♪

――なんて、思ったのが間違いだった。


「…それってなんでも良いの?」

『うん。壱、甘いの好きでしょ』

「…好きだよ。本当の本当になんでも良いの?」

『本当だって。あ、あんまり高いのはダメだけど…』



「じゃあここからここまで全部!」とか言われても困るし…。


「お金かからなきゃほんとーに良いの?」

『しつこいな!良いって言ってるでしょ!』


なんでそんなに念押すような聞き方するのよ!



「じゃあ、俺その味食べたい」

『え?』



しつこさにイラッとしてるところで壱があたしの手を指さした。



< 21 / 28 >

この作品をシェア

pagetop