キャンディよりも甘く~わんこ彼氏とホワイトデー~
「ねぇ、そっちちょうだい?」
お得意の上目遣いと甘えた口調。
いつもだったら適当にあしらうのに、いつもより熱っぽいような瞳の壱に少しドキッとした。
でもでもっ……
『これ!?だって食べかけだよ?』
飲み物とかの回し飲み位なら普通にやるかもしれないけど、キャンディってどうなの!?
「だって、美耶なんでも良いって言ったじゃん」
『言ったけど……』
まさか、食べかけのキャンディが欲しいなんて言われると思って無かったし…。
「さっきのは嘘だったの?」
『嘘じゃないけど…あ!ほら、後で同じ味買ってあげるから、ね?』
「俺は今食べたいの!」
ワガママ…キャンディなんて貰うんじゃ無かった…。
そんな後悔をしつつ諦めモードになってきたあたし。