キャンディよりも甘く~わんこ彼氏とホワイトデー~
「合ってるじゃん」
『はっ?』
「俺が指さしたの美耶だよ。それに…美耶甘かったよ?」
『えっ…?…えぇ!?///』
壱が言ってる事の意味に気が付いて、顔の温度がまた急上昇する。
やられたっ!!
目の前にはニコッと微笑みを浮かべる壱。
今はその微笑みが小悪魔…いや、悪魔のように見える。
いつもは無邪気で子犬のよう。
真っ直ぐにあたしに向かって来て、そっけなくしても、くっついて来る。
周りから見たらあたしが振り回してるみたい。
だけど、それは違うと思う。
「あれ?美耶怒ってる?」
『…別に』
まんまと壱の策略に引っ掛かってしまって悔しいのと、赤い顔を見られたくなくて、顔を背けてたら壱が言う。
「やっぱり怒ってるでしょ?」
『怒ってないってば!』
ちょっと困ったような声で言う壱にあたしは力強く言った。
のに……