キャンディよりも甘く~わんこ彼氏とホワイトデー~
「あっ!ごめん、分かった!!」
『はっ!?何が…っ!!』
突然、壱が大きい声を出すから、びっくりして思わず顔を上げてしまったのが、まずかった…。
目の前には真剣な瞳の壱。
「ごめんね?忘れてた」
『えっ…。んっ…!』
ちょっと!また!?
唇がまた重なる、今度は舌は入って来なかったけど……
『ひゃぁ…!』
唇をご丁寧に舐められた…。
「…ごちそうさま♪」
『…っっ!!///』
バッ!と唇を両手で抑えて飛びのくように離れる。
壱が見たことの無いような妖艶な表情で微笑むから、顔の温度が急上昇する。
「え~?そんな勢いよく離れなくても良くない?ちょっと傷つくんだけど」
『嘘つき!っていうか、なんで、唇な…舐めるのよ!?』
口では傷ついた見たいな事言ってるけど全然そうは見えない。
いつもの喋り方なのに何故かいつもとは違く感じる。
「だって、美耶を味見させて貰ったのに“ごちそうさま”言わなかったから怒ったんでしょ?」
クリッとした目でこちらを見つめて小首を傾げる姿はやっぱりわんこのよう。
だけど、騙されてはいけない。