キャンディよりも甘く~わんこ彼氏とホワイトデー~
「そっか…今日、ホワイトデー…」
『壱?』
見ると、何か考え込んだようにぶつぶつと1人で喋ってる。
名前を呼んだのにも気付いて無いみたい…。
『いち…「そうだっ!!」
『ちょっと、何!?』
もう一回名前を呼び掛けた所に何か思いついたのか勢いよく顔上げて言うからびっくりしたんだけど!
「ん?何が?」
まるでこちらがびっくりしてる意味が分からないかのように小首を傾げてる壱。
『何?じゃなくて、さっきから1人でぶつぶつ言って…何考えてたの?』
「ん~?へへっ、ヒミツ~♪」
イタズラをする前の子供みたいな顔をする壱。
何か企んでるんじゃ…。
「ほら、早く行かないと遅刻しちゃうよ!!」
『ちょっ…!』
あんた達待ちだったんだっつーの!!
結局、理由を聞けないまま、壱に手をぐいぐい引っ張られて教室に向かう事に。
で、あたしの不安は的中する事になる…。