キャンディよりも甘く~わんこ彼氏とホワイトデー~


「松田くん戻って来ないね~。探しに行かなくて良いの?」

『え?何であたしが』



結局、あの後壱は戻って来ないまま今はお昼。



「何でって…心配じゃないの?」

『別に。いきなり居なくなった訳じゃあるまいし』



どうせまだ熊に怒られてるんだと思う。

長いな~…とは思うけど、理由が理由だけにしょうがないでしょ。



「そうそう。ほっとけば戻って来るって!どうせ反省文でも書かされてるんじゃないの…って、あ~!マスカラが上手く乗らない!」



澪とあたしが食べてる横で、今日何度目になるのか、鏡の前でマスカラと格闘する実紅。



『…塗りすぎじゃない?』

「良いの!だって久しぶりに会うんだよ!?」



久しぶりに会ってそのメイクは彼氏びっくりしないか…?



「今の実紅に何言ってもムダだって!それより、松田くんだって!良いの!?」

『いや、だから、まだ怒られてるんじゃないの?』

「そうじゃなくて!!」



じゃなくて何?



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