君がくれたもの―LAST LOVE―
【綾side】

どうしてだろう。
あたしはこいつの前で泣いた。
泣いても泣いても涙が止まらない。
―ねえ、優花。
お願いだから死なないで。―

「綾さん。」
蓮に名前を呼ばれ顔を上げた。
―すると―

「今日は特別。」
そう言って蓮があたしを抱き締めた。
急の事で頭が回らない。

「何して…」
やっとの事で出た言葉。
あたしは必死に蓮を拒む。
しかし、あたしの思いとは裏腹に
さらにあたしを抱き締める力が増す。

「離し…て」
「やだ」
…は?
なんなの、こいつ。

「離してってば。」
「いーやーだ。」
「なんでよ!?」
「だって、綾さん泣いてるから。」
真剣な眼差しであたしを見つめる。

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